111.「夕凪の街 桜の国」 こうの史代 双葉社 評価★★★★☆
原爆投下から10年後の広島が舞台。
「わかっているのは「死ねばいい」と誰かに思われたということ 思われたのに生き延びているということ」
「そしていちばん怖いのは あれ以来 本当にそう思われても仕方のない 人間に自分がなってしまったことに」
「自分で時々気づいてしまうことだ」
生き延びたという罪悪感。助けられなかった罪悪感。それがある限り、幸せにはなれない・・・。
銭湯で体を洗う女性たちに、火傷のあとがくっきりと残っているのは怖ろしいイメージでした。ああ、でも、それが現実なんだろうなあ・・・と、そういう日常描写の細かさが本当の戦争の怖さを教えてくれるような気がします。
ノスタルジックなやさしい絵柄で、深いテーマを語ってくれます。いい作品でした。
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