星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「天上天下」第13〜15話

第13話「魔力」
第14話「業火」
第15話「陰陽」

面白かった。やはりこの作品は、第10話から始まる「過去編」が物語の本編であって、9話までの展開はあくまで登場人物の紹介編に過ぎず、ただのプロローグだったみたいです。
夫にも確認したけど、彼の以前の発言で「この作品のすごさがわかるのは7話から」と言っていたのは、話数を正確に覚えていなかっただけで、本当は「10話の過去編から」だったと確認できました。

池田秀一キャラのおかれている立場がいい。
強大な力を持った狂気の存在であり、強度なシスコン。両親を惨殺した上で、実の妹を本気で愛している。
ある意味、「男」という存在そのものを極端な形で具現化しているキャラのような気がします。

力に酔って、妹を守るためだけに、次々と仲間を惨殺していく・・・血の狂気を持った男。

面白かったのは、そんな彼を倒す位置に矢尾一樹が配置されていること。シャア・アズナブルを倒すのは、やはり、ジュドー・アーシタの役割ですか?(苦笑)

まあ、それはさておき、池田秀一キャラと矢尾一樹キャラが「友として、誰かがあいつを止めなきゃならない!」として戦いあい、重傷を負って倒れたあと、その後、「彼」から「妹」を奪う存在としてのキャラクター森川智之が、池田秀一キャラに最後の戦いを挑む。彼は、池田秀一キャラが愛している「妹」を、恋人として愛しているから。

強大な力を持つ存在の前に、立ち向かえるか? 殺される覚悟で挑めるか? という部分の男たちの戦いが、すごくかっこいい。

あと、自身のうちに抱える「恐怖」を身にからみつく「ヘビ」として表現しているところも、描写的に気に入りました。そういう表現を見るとなんとなく、夢枕獏の「キマイラ」シリーズを思い出します。

高速のバイクで駆け抜ける「俺たちの声」が聞こえるのは、「同じ速さで走っているものだけだ」という言葉も印象に残りました。なんか、これぞ「男の世界」という感じがして、よかったです。

次回は、ふたりの戦いに決着がつくようなので、続きも楽しみです。

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