星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「トリツカレ男」 いしいしんじ

小説・一般5.「トリツカレ男」 いしいしんじ 新潮文庫

♪笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために
♪君のその小さな手には 持ちきれない程の哀しみを せめて笑顔が救うのなら 僕は道化師(ピエロ)になれるよ

という歌を思い出しました。さだまさしの「道化師のソネット」・・・。

ただまあ、気がついてみれば、「道化師のソネット」が流行ったのは、もう25年も前の話だし、下手すると、今の20代はこの歌を知らないんじゃないか?? という気になったので、下にリンクを貼っておきました。歌詞が読めるし、簡単にメロディラインも聞けるみたいです。なんか、懐かしかった〜。

それはともかく、ピュアなラブストーリーと紹介されていたので、どんな話かと思えば、そういう内容でした。やっぱ、男が一途に彼女を思いながら、自身はどんどん傷ついていく・・・というエピソードは泣かせます。彼女の方は、なかなか気づいてくれないのだけど、彼はそれでもいいんだって・・・。

こういう純愛ドラマは、女性に受けそうだなあ・・・と思いました。童話形式で書かれているのも、なかなかステキです。内容的には、ちょっとできすぎな気もしたんだけどね。トリツカレ男がスーパーヒーロー的活躍をするので、それでいいのかな? ともちらっと思ったんだけど・・・。

あとは、ハツカネズミがかわいかった。主人公の親友のこのネズミくんが、主人公のことをせっせと心配してくれているのが、なかなかいい感じ。

「きみはばかだ! 世界一のばかだ!」「なんで、どうして、そんなことをしなくちゃなんない?」
と、泣きながら言ってくれる親友。このシチュエーションは、結構、萌えるものがありましたね。いい話でした。

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【参考】「道化師のソネット
http://page.freett.com/NonSection/doukeshinosonetto.htm