星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ブレイブ・ストーリー」上巻 宮部みゆき

小説・一般8.「ブレイブ・ストーリー」上巻 宮部みゆき 角川文庫

宮部みゆきにしては、今ひとつ・・・という評価かな。主人公の亘くんが全然かわいく見えない。宮部みゆきの書く少年たちというのは、もっともっと魅力的だったと思っていたんだけれど、この場合はどうにも無理して子どもや児童文学を書こうとして、失敗しているように見える。

お祖母ちゃんのことを「戦車」、父親の浮気相手のことを「魔女」と呼んだりしているのは、さすがに読んでいて恥ずかしかった。もう少し自然に描けないものだろうか? あんまり子どもを馬鹿にするなよ、とつい、思ってしまう。子どもって、大人が思っている以上にもっと普通の、きちんとしたものの考え方をすると思うんだけどね。それこそ、「見た目は子ども。頭脳は大人」という感じで描くぐらいでちょうどいいんじゃないのか?

普通の廃ビルの中に魔導師が出現したり、少年の元に姿の見えない女の子が話しかけたりするのも変で、違和感がばりばり。どうしようかと思ったよ・・・。(−−);

児童文学の異世界ファンタジー小説・・・という形式を取っている割には、これはRPGゲームや冒険アニメの世界を意識して作られた異世界だと思う。一般に言われる小説のファンタジーとは一線を画して違うと思った。その分だけ、主人公がゲームゲームした会話をしているのが、非常に読んでいて抵抗があった。やめてくれ・・・と思っちゃって、ものすごくキツイ。(−−);

まあ、上巻ラストでようやく異世界の方に入り込んだので、ちゃんと冒険も始まったみたいだから、最初に世界観の部分で覚えた違和感はそのうちに消失するだろうと思う。もうしばらくつきあってみます。

宮部みゆきなら、多分、少年の両親を巡る葛藤の方を書かせた方がよほどこちらの気持ちに引っかかるんじゃないのかな? と思いました。この場合はあくまで少年視点なので大人の事情が描かれていない点が残念。それとも、それも伏線で、ラストまでにはきちんと描かれることになるのかな? その点も踏まえて、続きも楽しみにしてます。

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