星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「機動戦士Zガンダム」第一部 富野由悠季

小説・一般31.「機動戦士Zガンダム」第一部カミーユ・ビダン 富野由悠季 角川スニーカー文庫

「Z」のテレビシリーズ、後半の方を見ていて、「設定が難しくて、ついて行けなくなる」と夫に話したら、「小説を読めば、ちゃんと書いてあるんじゃないか?」と言い出した。そう言えば、うちにあるんだっけ? と思いだしたので、試しに読んでみることにした。

第1巻目である第一部の内容は、テレビシリーズの1〜5話で、カミーユの父親が死ぬところまでだったけれど、確かに設定の部分やキャラクターの心情など、テレビよりはるかに丁寧に描かれていた。と言うか、第1話が始まるまでの前振りに半分以上を費やしているような感じ。

クワトロ大尉が、グリーンノアコロニーに入ってくるまでの経緯が丁寧に書かれているのは興味深かった。

「Z」の第1話2話で疑問だった部分。カミーユが、ジェリドを殴ったかどで捕まって、尋問された後、一度、車を奪ってそこから逃げているんだけど、次の話数になると、何事もなかったかのように本人、その場にのこのこ戻ってくると言うシーンがある。これは変じゃないか? と思っていたけれど、小説の方はそこをちゃんと直してあった。車を奪って逃走した後、カミーユが向かったのはファの家なんだな。そこで「これからどうするの?」というファとの会話がちゃんとあるんだ。

小説の方が先なんじゃないかと思えば、テレビの方でそう言う描写を全部削除したんじゃないかな。そんな話は必要ないと判断されて、途中で切られたのか・・・。

ほかにもいろいろ、テレビにおいて、説明されていなかった部分に、丁寧な解説が入っていて、面白かった。あのシーンには、そう言う意図があったのか〜と思って・・・。

逆に言えば、「テレビで説明不足なシーンは、小説を読んでください」というパターンは、富野が始めたんだなあ、と思うことも出来るんだけどね。

全5巻の内容だから、あの長いテレビシリーズをどういう風にまとめるのか、ちょっと楽しみです。

続けて、「逆シャア」や「閃光のハサウェイ」まで読んでいくかどうかは、現在、ちょっと考え中〜。