星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「精霊の守り人」第8話

第8話「刀鍛冶」

なんというかまあ、この独特の演出を、斬新と見るか、わかりにくいと見るかでで、評価が分かれるところだろうけど、私としては、こんな変な演出をせずに、もっと普通の冒険物語に仕上げて欲しかったなあ、と思った。

刀鍛冶のおじさんを相手に、バルサとチャグム、狩人たちが、それぞれ別々に会話をするだけの話。しかも、その内容が抽象的すぎて、誰のことを言っているのか、わかりづらくてしょうがない。

そりゃ、私は原作を知っているから、鍛冶屋のおじさんが語っている武人と子供というのが、若き日のジグロと子供の頃のバルサのことだって、すぐにわかりますよ? 私はわかるけど、でもこれ、知らない人は、まったくわからないんじゃないの? なんの話を始めたんだ? って、途方に暮れる感じ。

せめて、おじさんの話の中に、回想でいいから、ちらっとでもジグロと幼いバルサの姿を映して欲しかった。抽象的なセリフだけで、何をわからせようというのか? ジグロの名前をまったく出さない。影も見せないじゃ、作り手が自分だけわかっている話にしかならないよ・・・。

一方で、狩人の方は、同じようなことをした人物として、バルサとチャグムのことを語っているわけだけれど、私も一瞬混乱した。あれ? モンもジグロのことを知っていたという設定なのか?? と思った。

まあ、作り手側は原作の物語の構造をわかっていて、ジグロとバルサバルサとチャグムの関係を、鍛冶屋のセリフから抽象的に二重に浮かび上がらせようとしたんだろうけど・・・。

これは、知らない人が見て、まったくついて行けない構成だろうなあ、と思う。一歩間違えば、作り手側の独りよがりにしかならないと思うよ。まあ、あえて言うなら、一度見てわからなかった部分も、すべての落ちを知った上で、最初からもう一度見直せば、意味がわかるという構成になっているといえるだろう。好意的な言い方をすればね。

繰り返すけど、私はもっと普通に作って欲しかった。これじゃ、わかりづらいだけで、ちっとも面白くない。それが素直な感想ですね。