星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

加瀬充子監督「第08MS小隊 ミラーズ・リポート」

映画4.加瀬充子監督「機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート」(日本・98)

この間まで見ていた「0083」が、「さあ、みんなもジオンに加わり、デラーズフリートとともに、地球にコロニーを落としましょう!」と言わんばかりの好戦的な作品だったことを考えると、テーマ的な部分においては、「08小隊」の方が、はるかにまともだよなあ、という感じがする。

0083」の、いかにも軍隊って戦争ってかっこいいよね、という部分ばかりを強調された感じが、見ていて気持ち悪くて仕方がなかったので、それと対比する限り、甘ちゃんのシロー・アマダが、戦争の真っ最中に「みんな、戦うのをやめるんだ!」と叫んでも、鼻で笑われて、まったく届かない無力ぶりを見ている方が、まだしも気持ちがよかった。

08小隊」も作品的には壊れていると思うし、戦場における敵味方に分かれた恋人たちの話には、そんなに興味もなかったけれども、「戦場における己の無力さ」「戦争の中で平和を叫ぶことの難しさ」というテーマの部分は、非常によく出ていて、共感が持てる内容だった。

査問会の時の「今の君に敵が討てるのかね?」というセリフが、気に入っていたのだけれど、それをメインテーマに使って、救いたいと思ったジオン兵を助けることが出来なかった第8話「軍務と理想」をメインに持ってきた構成も気に入っている。

まったく期待していなかった分だけ、なかなか面白かった。こうして、改めて、6〜8話を見直してみたら、そんなに悪い話でもないんだなあ、と「08小隊」をちょっと見直した気分。よかったです。