星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

杉山慶一監督「銀色の髪のアギト」

映画11.杉山慶一監督「銀色の髪のアギト」(日本・06)

風の谷のナウシカ」をやろうとして、まとめ損ねた作品・・・なのかな〜。「森と人」のテーマとか、植物が暴走して人類の敵となってしまった・・・という設定は、すごく好きなんだけど。

お話に関しては、前半部分はよかったと思います。主人公の少年が友人と一緒に、「競争だ!」と言いながら、そそり立つ配置になっている村を直線的に駆け下りていく描写とかすごかったし。襲いかかってくる水の描写とか迫力がありました。そうやって、遺跡みたいなところに迷い込んで、眠っている少女を目覚めさせる展開は、いかにもお約束で好きだしね。

問題は後半。どう見ても、物語をまとめきれずに展開がぐだぐだになっている。たまたまヒロインの少女が、最初にこの植物化された世界を作った博士の娘だと言うだけで、彼女の持っているアイテム一つで世界の運命がすべて翻弄されるんじゃ、周りはいい迷惑だよね。

アギトが強化人間になる意味もよくわからなかったんだけれど、そんなにまでして、彼女を追いかけなきゃいけない理由もちょっとよくわからなかった。もうちょっとせっぱ詰まった感じが出ればよかったんだけど・・・。

森をイメージするふたごの子供たちの描写とかは、結構好きなんだが、今の視点で見ると、まるでエスカラスだなあ・・・と思う。誰か、GONZOのスタッフにこういう設定が好きな人がいるんでしょうか? ただ、植物化・・・のイメージは、普通に見てかなり怖いので、主人公が樹木変化する辺りは、やり過ぎなんじゃないのかな〜と、少し思いました。

http://www.gonzo.co.jp/works/mov_02.html