星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

鳥海永行監督「劇場版ニルスのふしぎな旅」

映画19.鳥海永行監督「劇場版ニルスのふしぎな旅」(日本・82)

基本的には、テレビ版の総集編の域を出ていないので、テレビシリーズを知っている身には、ちょっと物足りないかなあ、と言う印象は残りました。ニルスの旅って、もっと長かったはずなのに、見ているうちにあっという間にラプランドまで到着して、戻ってきてしまったので・・・。

とは言え、劇場版で1時間半の尺に納めるためには、ぎりぎり仕方がない範囲かなあ、と言う気もします。冒険の数々自体は面白かったし、「え? もう終わっちゃうの?」と思えたと言うことは、それだけ退屈しないで見いっていたと言うことだと思うしね。確かにふしぎな旅をして、戻ってきたんだ〜という雰囲気はつかめました。

最終回のセリフがあちこちでカットされているのは、個人的にはちょっと残念でした。「約束するよ! 俺はこの大地を大切にするってことをさ!」から始まる長いセリフがあって、最後に「俺たちいつまでも友達だよなあっ! 仲間だよねぇ!!」とニルスが、南へ飛び去っていく雁の群れに向かって叫ぶシーンがテレビではあったのに、劇場では切られていたので。あのセリフがよかったのに〜と、テレビの前で一人つっこみを入れてました。(「ニルス」の最終回は、テレビから録音したカセットテープを繰り返し聞いたので、セリフをほとんど覚えているのですよ・・・)

そう言えば、ニルスのお父さん役に津嘉山正種の名前を見つけて、声を聞きつつ、若いなあ、と聞き惚れてました。「そうだよ〜津嘉山さんの声って、確かこんな感じだったよなあ、今じゃ昭和の怪物なのに・・・」という思いがちょっとだけ、胸をよぎったというか、感慨にふけってしまったというか・・・。

物語が省略されているために、キツネのレックスが動物園の檻の中に入りっぱなしで終わっちゃっているのが、ちょっとかわいそうだなあ、と思いました。
TV版では、彼女が出来てハッピーエンドになるんですけどね。

http://www3.nhk.or.jp/anime/08spring/program/nils.html