星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「淋しい狩人」 宮部みゆき

小説・一般36.「淋しい狩人」 宮部みゆき 新潮文庫

宮部みゆきにしちゃ、まあ、普通の短編集かな〜と思った。どうも宮部みゆきには、高いレベルを要求しすぎるみたいで、この話も、決してそんなには悪くないんだけれど、宮部みゆきなら、もっとすごい話が読めるはずだと思うんでしょう。

古本屋を営んでいるお祖父ちゃんと店を手伝っている孫息子のキャラがよかった。

一方で、物語して、私がこの中で好きなのは、「歪んだ鏡」だな。電車の網棚の上に乗っていた文庫本を拾ったら、その中に名刺が挟まっていた。ところから始まる物語。こういうのは好き。落ちの部分も含めて、ちょっと切ない感じがするところがよい。

あとはまあ、普通かな。あんまり殺人が出てくるような殺伐とした物語を今の自分が読みたいと思っていなかったんだなあ、というのをちょっと自覚した。