星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ef - a tale of memories」第9話

第9話「forget me not」

これは素晴らしかった。昔々、30年前の少女漫画が持っていた透明感が、ここに残っていたような、そんな気がした。

誰にも話しかけられることなく育てられた赤ん坊が、その後どうなったか・・・というエピソードなら、私は昔、三原順の「はみだしっ子」シリーズで読んだよ。なんだかそう言う意味で、これはそのぐらい昔の少女漫画だなあ、とやたら思ったんだけれど・・・。

漫画の中の記憶とみやこの話す言葉が、イメージ的に強烈に重なってきたから、見ていて非常に辛かった。その分だけ、広野くんとのキスシーンが感動的。これはなかなかいい恋愛ドラマだ。

一方で、千尋と蓮治くんの方のドラマも、なかなか盛り上げてくれました。千尋よりも蓮治くんの方が、よほど辛い立場にいるんじゃないかって・・・。最初から千尋に近づくな、と警告していた兄ちゃんは、そのことをちゃんと知っていたんだって・・・。自分が経験しているからでしょう。

蓮治くんが知っていた私は、もう死んでしまったんじゃないかって。千尋の言葉と、砂浜で一人慟哭する蓮治くんが辛かった。実際、あのときの彼女はもういないんだって、蓮治が自覚しなきゃならないのがかわいそう。

その分、記憶ってなんですか? というテーマ。忘れたくない想いってありますか? と言うテーマが、胸に響きましたね。非常に上手く盛り上げていたと思います。

さて、問題は次回、景の方に行くみたいだけれど、これも非常に楽しみです。なんかみんな、まとまるところにまとまりそうじゃない。

あのカメラマンの子もそうだけれど、広野くんも蓮治くんも、この作品は、男の子たちがみんなしっかりしていて、非常にかっこいいね。恋愛ドラマとしても完成されているし、これは男性よりも女性ファンを狙った方がいい作品じゃないかという気がしました。女性受けしそうだよ。と言うか、すると思うんだけどなあ。そう言う意味では、宣伝の仕方が非常にもったいないなあ、という気がしました。

順調に面白い。続きも楽しみです。

【追記】
三原順の「はみだしっ子」だったと思うんだけれど、それとも、大島弓子か誰かの別の作品だったかしら?? その辺は、記憶が曖昧です・・・。