星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

出崎統監督「CLANNAD〜クラナド〜」

映画26.出崎統監督「CLANNADクラナド〜」(日本・07)

これは素晴らしかった。よくぞまあ、あの原作をここまできれいな映画として、きちんとまとめたと思って、その手腕に感心しました。

原作のゲームはゲームだから、やはり独特の手法で書かれたシナリオだし、それを映画に置き換えるのは、さぞ大変だろうと思っていたんだけれど、ちゃんと「クラナド」という作品の本質をとらえて、きちんとドラマ化しているじゃないか。すごいなあ。

劇場版「AIR」の時のとんでもない脚本とは大違いで、さすがにびっくりした。と言うか、もともと「AIR」の方は、出崎監督には無理な内容だったんでしょう。実際、普通にドラマ化するには、あのゲームは思い切りとんでもない展開をするわけだし・・・。(苦笑)

いや、でも、本当に感心した。こういう風に作って欲しかったという見本みたいな映画でしたね。ゲームで無理のある脚本も、ちゃんと普通のドラマとして書き換えられているし、思いきりのいいキャラクターの整理の仕方とか上手かった。

特に公子先生の扱いに感心した。ずいぶん、出番が多くて、いい役になっているじゃないか。原作ゲームで言う幸村先生の役割を、公子先生が一部補ったという形かな。

芳野さんの出番が多いことにも感動したし、春原がなにげに智代と仲がいいのも気に入ったよ♪

風子や諒を思い切って削って、ことみも一瞬だけの出番にしたのも正解でしょう。あの子たちの話まで入れるとややこしくなるから、最低限、朋也と渚の二人のドラマに絞り込んだところも気に入ってます。

幻想世界の解釈も出崎版独自のものだったけれど、これはこれでわかりやすくていいんじゃないのかな? 渚と朋也が幻想世界で出会うところとか、なかなか感動的でした。

夫がもうだいぶ前に見て、この作品をほめていたんだけれど、私にはゲームを全部やり終えるまでは見るな・・・とのことで、止められていたんですよね。劇場版を先に見ると、思い切りネタバレだって・・・。

まあ、確かにその通り。これから「アフター」を見ようと思っている人は、まだ劇場版を見ない方がいいと思います。テレビアニメ版を全部見てから、もしくは、原作ゲームをすべてプレイし終わってから、見ると、感動もひとしおかもしれません。このスタッフが、何をやり遂げたかわかるだろうから。

いい作品でした。よかったです。

http://www.toei-anim.co.jp/movie/2007_clannad/