星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ニルスのふしぎな旅」第52話

第52話「さようならアッカ」

いよいよ最終回。この内容も、昔、カセットテープで音声だけは繰り返し聞いたので、セリフのタイミングとか全て覚えていた。次にどうなるのか分かってしまうので、その辺の新鮮みはなかったものの、新たに気づいたこととして・・・。

ガチョウのモルテンがいよいよ、ニルスのお父さんに連れて行かれて・・・と言う展開の時、ニルスはモルテンの息子と会話をしているんだな。
「やい、ニルス! ひどいじゃないか! あんまりじゃないか!」という非難の訴えを聞いて、苦しんでいるところに来て、モルテンが最後に「助けてくれ〜ニルス〜!」と叫ぶから、それがニルスがなりふり構わず家に飛びこむ決定打になったわけだけど。

このモルテンの息子の叫びがいいなあ、と改めて思った。いわば、モルテンジュニアで、もう一人のモルテンみたいなものでしょ。

改めてみて、気づいたんだけれど、ニルスが元の姿に戻って、もう一度、そのモルテンの子供に会ったときに、その子がニルスの顔をつついて、すごく嬉しそうにしている絵があるんだな〜。そうやって、ニルスに感謝の気持ちを示していたのか。もう言葉は通じないんだけれど、そうやって彼らの間には意思疎通が成功していたんだ。そう言う描写がなにげに入っているところで、芸が細かいなあ、と感心しました。

ラストシーンでは、ガンの群れが飛び立ってしまう描写が辛かった。人間の視点に戻ってしまうと、あっさりと彼らはただの鳥になっちゃって。本当に魔法が解けたみたいな感じがする。

そんな彼らが、飛び立って、だんだん遠ざかっていく描写をカメラが追いかけていて、見ているこちらまで、ああ、行ってしまう。本当にもう行ってしまうんだ〜という気持ちになって、辛かったです。最終的にニルスの笑顔で終わっているので、それが救いと言えば救い。これで物語は終わります・・・と、本当にきれいな最終回でした。何度見ても、本当に素晴らしい。

いい作品に感謝を。ありがとうございました〜。見て良かったです。