第3話「日曜日の港町」
第4話「お父さんなんか大きらい」
第3話はマルコによる「魔女の宅急便」。船会社で配達のアルバイトをすることにしたマルコが、ジェノバの町をあちこち回って、手紙の配達をするんだけれど、家を訪ねるたびに「受け取りにサインをお願いします」とかやっているのを見ると、どうにも「魔女宅」とかぶるんだ。こういう作品を前に手がけていたから、描きやすかったのかも知れないねえ・・・と何となく思った。
第4話は、僕ももう一人前だし、働いて、お金を稼ぎたいとするマルコと、子供はそんなことを気にせずに勉強しなさい・・・とするお父さんとの齟齬。特に、父親が借金を背負って、母親が外国まで出稼ぎに行っていることを、野次るいじめっ子少年たちが出てくるのも、なんだかわかりやすいなあ、と思った。
原作である「クオレ」は昔、読んだけれど、どういう事情で母親が出稼ぎに行ったのか、そういうのは書いていなかったような気がする。
この場合、父親が事業に失敗して借金を背負ったという設定は、ものすごくリアルで、マルコが幼いながらに「お金を稼いで、お母さんが早く帰ってこられるようにしたいんだ」って一生懸命主張しているのを、黙って聞いているお父さんは立場上、すごく辛いだろうなあ、と思った。
第4話からベッピーノ一座の登場。永井一郎による前口上は、今でもくっきりと覚えているほど印象が強かった。あの「♪ベッピーノ〜」と節をつけて叫ぶ、独特の言い回し。これって永井さんならではだったろうなあ、と言う気がするんだ。
フィオリーナも登場する。まだ顔見せ程度だけどね。これからどんな風に絡んでいくのか、続きも楽しみです。