星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「神様がくれた指」 佐藤多佳子

小説・一般1.「神様がくれた指」 佐藤多佳子 新潮文庫

600ページ以上もある割と厚めの本なんだけれど、結構、夢中になって読み進めることが出来ました。それだけお話も面白かったし、何よりキャラクターが良かったです。

いつもながら、佐藤多佳子の作るキャラクターは魅力的ですてき。この場合は、スリの青年マッキーと占い師をやっているマルチェラこと昼間薫ですけど。この二人が二人とも実にいい。特に昼間さんが好きだな〜。なにげに困っている人を放っておけない優しいところがいい。

物語が進んで行くにつれて、ちらっと語られたできちゃった結婚とその末の離婚の話は、少し辛かったですね。この問題を語るのは難しいんだけど、残酷な少年少女を単純に責めることが出来ない何かはあるような気もする。少しだけ・・・。

神様がくれた指とは、スリをする指のことだけでもなくて、占いをするマルチェラの指のことなのかも知れないなあ、と少し思いました。

なんにせよ、面白かったです。おすすめの1冊です。