星の原休憩所

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「母をたずねて三千里」第8話

第8話「ゆかいなペッピーノ一座」

ああ、これは泣けるなあ、としみじみと思った。いや、マルコの気持ちとお父さんの気持ちと両方のすれ違いがよくわかる分だけ、見ていて辛いものがあるから。お父さんの言うことの方が正論なのに、息子にはまだわからないのよ。それでいて、父親への怒りでいっぱいで、耳を傾ける気もないという・・・。なんてよくわかる親子の関係。

マルコの意地っ張りの部分や、早く大人になりたいという焦りはみんな、母親がいないこと、そもそもお父さんのせいで母親が遠くに連れ去られてしまったことへの怒りから出ているんだなあというのが、よく伝わってきた。

なにしろ、口をへの字に曲げて、内心の怒りを押し隠しているような子供なんでね。ふとしたことでケンカになって、必要以上にムキになっちゃうんだなあ。可哀相に・・・。

「三千里」では上から見下ろす構図が、やたら使われているんだけれど、上の方に張られているロープのところをアメデオが通り過ぎていった後、下にいるマルコが別の方角から交差していったから、なんだか、モビルスーツデッキみたいじゃん・・・と思ったのよ。そしたら、絵コンテが富野喜幸だって言うから、ああ、やっぱり〜と思った。

富野さんは、「赤毛のアン」にも「ハイジ」にも参加していたんだけれど、「三千里」だと妙にしっくり来るような感じがする。もともと暗い雰囲気を持っている作品だから、近いものがあるのかも知れないけど。こういう少年と父親との齟齬という部分が何となく、そんな感じかな。「大人なんか〜!」という少年の怒りがかいま見えるところとかだけど。

フィオリーナの立ち位置というのも何となく見えてきたけれど、姉さんのコンチエッタが派手な衣装でみんなの視線を集めながら華やかに踊っている傍らで、ずいぶん地味な服を着て、妹のおもりとか、お金集めとか、そういう脇の仕事ばかりさせられているんだなあ。

父さんから見れば、私は役立たずなんだって・・・。そう言うこともちらっと言わせているが、フィオリーナの中にも自分を認めてくれないくせに、飲んだくれて母親に逃げられた父親への怒りというのがあるんじゃないだろうか? と言う気がする。

あるいは、その辺でマルコと仲良くなっていくんだろうか? と言う気もしたんだけどね。どうなることか、続きも楽しみです。