星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「母をたずねて三千里」第36話

第36話「さようならバイアブランカ

メレッリおじさんの話を単なるきれい事で終わらせなかった部分が気に入っている。マルコの母親の手紙が届かなくなったのは、メレッリおじさんのせいなのは間違いない。それによって、マルコがお母さんを心配して、はるばるアルゼンチンまで来ることになったのだから、全て悪いのはこの人なんだよなあ。

まあ、それによって、ペッピーノ一座もバイアブランカの劇場で公演できることになったのだから、人の縁はふしぎ・・・という話にきれいに落ち着くのかと思ったら、その話も微妙で、下手するとなくなるかも知れない・・・と言うところで終わってしまった。その辺はちょっとそこまでしなくても・・・と思わないでもないんだけれど。

ただ、マルコのために何とかしてやりたいと思ったのは間違いないだろう。自身の罪悪感のせいかもしれないけど。

それでも、マルコに対して、母親の正確な居場所を教えずに、とりあえず、ブエノスアイレスまでの旅費だけ渡して、そこに行きなさいと指示だけ出したというのは、いいことなのか本当は微妙。本当は、コルドバにいるのにそれを教えてあげなかったというのは、かなり残酷な結末。

マルコはその人をいい人だと思いこんだまま、ブエノスに行っちゃったというのに。その辺、大人の汚さもかいま見えるところですね。

こんな話は、もちろん、原作にはないんだけれど、そのあたりの演出は、どこか容赦がなくて、世の中の醜さを見せつけている点で、単なる子供向けとして、子供だましには作っていないよなあ、と思います。