星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

細田守監督「サマーウォーズ」

映画16.細田守監督「サマーウォーズ」(日本・09)

試写会に行ってきました。ネタバレが気になる人は、読まない方がいいです。そんなにたいしたことは書いてませんけど・・・。

基本的には面白かったし、楽しかった。けど、「時をかける少女」の完成度の高さと比べると、ちょっとまとまりが悪いかな〜と思わないでもない。

どこかテーマの部分がうさんくさく、きれい事に見えるんだわ。「家族のつながりが世界を救った」という部分に説得力がなく、大家族も見ている分には楽しいけれど、自分的にはその家族からはみ出してしまった叔父さんの方に、思わず感情移入してしまう。

どうせなら、この叔父さんとヒロインがくっつけばよかったのに。と思わされた。この叔父さんをヒロインの力、家族の力で救って欲しかったのだけれど、どうにもうさんくさいお祖母ちゃんとのエピソードだけでごまかされてしまったようで、なんだかムズムズしたものが残った。私は最後まで、このお祖母ちゃんの良さがわからなかったんだな〜。

もし、そのパターンで、結果として主人公が振られても、その方がすっきりすると思うんだけれど、どうだろう? 彼は彼で、自分も家族に会いたくなったから、たまには実家に帰ろう・・・的な終わり方でいいような気がするんだな。最初から彼は、家族の中では部外者だったわけだし、ラストで現実に帰ればいいじゃん。(←やりようによっては、その方がもっときれい事だろうか?)

当然、そういう案もあったんじゃないかと思うんだけれど、あえて、それをやらずに、この世界を主人公に都合のいい夢のままで終わらせたのも、わざとなのかな? そのきれいな終わり方に対して、何かしっくり行かないものがありました。一般向けのぎりぎりの妥協でしょうか・・・? 温泉まで噴き出しちゃ、これは全部、嘘っぱちなんだよ、と、自ら宣言したようなものだと思うんだが、どうなんだろうね? その辺・・・。

http://s-wars.jp/