星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「青い城」 ルーシー・M・モンゴメリ

小説・一般14.「青い城」 ルーシー・M・モンゴメリ 角川文庫

29歳の独身女性の話。親類縁者から「オールドミス」としてバカにされたり、いじめられたりしているのに、持ち前の気の弱さと悲観的なものの考え方から、言い返すことも出来ずに、黙って従っていたおとなしい彼女が、「あなたの余命はあと1年です」と言われて、思い切ったという話。どうせ死ぬんだったら・・・と開き直った彼女は強かった。

あまりにもテンプレート的な展開で、序盤の段階で結末までどうなるのかすっかり読めたし、その分、先がわからない楽しさこそなかったものの、ヴァランシーの取った思い切りのいい行動は、読んでいるこちらに勇気をくれました。

「恐れることは原罪である」「恐れを抱いて生きるほど、恐ろしいことはない。それは、誰がなんと言おうと、恥ずべきことなのだ」

彼女の好きだった本に書かれていたセリフ。これを読んで、初めて彼女は一念発起したわけだし、思い切ってやってみたら、全てがうまくいったという見事な展開。ヴァランシーの臆病な性格は共感できる部分も多かったので、このセリフは、私の胸にも結構、強く響いたような気がします。