星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「アンの夢の家」ルーシー・M・モンゴメリ

小説・一般19.「アンの夢の家」ルーシー・M・モンゴメリ 新潮文庫

自身の不幸と友人の幸せそうな姿を引き比べて、惨めな気持ちと暗い嫉妬を味わうレスリーの心情には、非常に共感を覚えてしまい、アンの妊娠や出産を前に、もうこれ以上友達ではいられないと、どれだけ絶望的な気分を味わったのかと告白するシーンは、印象に残りました。誰の心にも、多かれ少なかれ、レスリーがいるのだと思います。

どうせ最後にはうまくいくんでしょ? と、多少なりうがった見方をしてましたが、それでも、どうやってレスリーがその絶望的な状況から救われるのかはわからなくて、物語がそこまでたどり着いたときに、なるほど、この手があったのか〜と、喝采したい気分になりました。彼女には、心から素直に、「おめでとう、レスリー!」と言ってあげたいです。

「汝真実を知れば、真実が汝を自由の身にするなり」ギルバートの引用より。真実をねじ曲げてはいけないのだと、やるべき義務からは逃げてはいけない。結果としては、それで全てうまくいったのだから。いかにもモンゴメリの作品らしいけれども、意外と、世の中、そう言うものかも知れないなあ、と思いました。いい作品でした。面白かったです。