星の原休憩所

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「架空の球を追う」 森絵都

小説・一般36.「架空の球を追う」 森絵都 文春文庫

こんなに薄い本なのに、11本の短編集というのは、いくら何でも短すぎるんじゃないか? と言う気がしたし、実際、最初の短篇を読んでいるうちはそう思っていたんだけれど、最後まで読み終える頃には、すっかり満足。これはこれで、みんな味のある、なかなかいい話じゃんか。と言う気分になった。

個人的に気に入っているのは、「夏の森」ですね。店頭で売られているカブトムシを見て思い出した、子供の頃の作文の記憶。なんでこんな作文を書いたんだっけ? という想いが、結末まで引っ張っていく。そして、落ちの秀逸さ。こういう話は好きだ。小生意気な発言をする息子が、らしくてよかった。

架空の球を追う (文春文庫)

架空の球を追う (文春文庫)