星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ネオ・ファウスト」 手塚治虫

コミック21.「ネオ・ファウスト」 手塚治虫 朝日新聞社

手塚先生は、原発について、作品の中で語ってたっけ? と思って、ちょっと読み返してみました。「ガラスの地球を救え」の中で放射能について語っていたのは覚えていたんだけれど、「ネオ・ファウスト」はどうだったかな〜? と思って。地球環境問題について、触れている部分があっただろうか? と思ったんだけれど。

結果としては、原発放射能について触れている部分はありませんでした。環境問題テーマに割と近いのは、第一が東京湾埋め立て計画を語っているシーンと、メフィストが「枯れ葉剤をアメリカに売って、大もうけなさいませ」と誘っているシーンかな? どっちもやってないけど、そのほかには、特に地球がどうこう、自然破壊がどうこう、なんて言うシーンは見つからなかった。

第一が惹かれている「球の中の女性」が、「地球」を表現していることは何となくわかるので、あるいは、今後、そのテーマを描いていく予定はあったのかも知れないけど。どちらかと言えば、ホムンクルスを扱っているし、生命をいじくることへの警鐘をテーマにしているような感じがする。ただ、何せ遺作だし、未完の作品で、どう見ても、「さてプロローグが終わりました。本番はこれからです」ってところで、続くになっているので、残念で仕方がない。この先が読みたいんだよ〜。

久しぶりに読み直して、メフィストをずいぶんかわいい女に描いているんだなあ、という感じを受けた。第一を愛しているのに、片思いのところがなんか切なくて。返す返す、続きが読みたかったです。残念です。

ネオ・ファウスト

ネオ・ファウスト