星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「10月の少女たち」 萩尾望都

コミック66.「10月の少女たち」 萩尾望都 小学館文庫

萩尾望都の初期短編集。「ルルとミミ」を読んだ勢いで買ってきたけど、やっぱりこっちも全部、既読作品で、昔、さんざん読み尽くしているので、新しい感想が出てこない。

ただ、やっぱり萩尾先生のマンガでも、今の視点で見ると古くなっちゃうんだなあ。としみじみした。「赤っ毛のいとこ」なんか昔は結構好きだったんだけど、こういう学園もののラブコメになっちゃうと、やっぱり70年代だなあ。と思う。

割と、今の感覚でも読める名作だなあ。と感じるのは、「みつくにの娘」みたいな民話風の物語と、あと「十年目の毬絵」が印象に残る。

「十年目の鞠絵」が持っているテーマって、古典文学に通じるものがあるよ。私的には夏目漱石の「それから」を思い出す。青春時代を共に過ごした彼らの十年後・・・。ここに描かれる島さんが、とても好きです。

「風と光の中」や「影のない森」も今でも通用するかも知れないが、狂気の匂いがする作品だから、私はあんまり好きじゃない。怖い。

10月の少女たち (小学館文庫 はA 45)

10月の少女たち (小学館文庫 はA 45)

それから (新潮文庫)

それから (新潮文庫)