読書28.「世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ」 下川裕治 新潮文庫
アジアハイウェイを東京からイスタンブールまでつなぐバスの旅、LCCを使っての世界一周をやったあと、次はやっぱり鉄道でしょ。とばかりに、ユーラシア大陸を鉄道で横断した記録。
東はロシアのソヴィエツカヤ・ガバニから、西はポルトガルのカスカイスまで。その波瀾万丈ぶりは、バスや飛行機の比じゃなくて、特に中央アジアを列車で抜ける怖さをしみじみと感じました。(前の列車が爆破テロとか、これが日常になっているという事実)
鉄道の歴史は、戦争の歴史とも切り離せない関係にあり、それぞれの国での出来事を通して、詳しく解説してくれるのが、非常に勉強になりました。この本は、再読に耐える本です。余裕があれば、線を引いて、ノートを取りながら読み返したいとさえ思った。
特に中央アジアの紛争地域について、たとえばチェチェン紛争の名前は聞いたことがあったけれど、それがどこのことなのか、どういう経緯で争いが起こっているのか、よく知らなかったので、ここで、いろいろ教えてもらったのは助かりました。
カザフスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、アルメニア、トルコ、グルジアなど、世界地図を何度も見返しながら、読み続けていたので、思いの外、読了まで時間がかかったけど、非常に読み応えがあり、面白かったです。
あとがきにも書かれていたけど、私も何となく、20日間もあれば、列車ならユーラシア大陸を横断できるような感覚でいたけど、そんなに簡単なものじゃないんだと、この旅を追体験しながら、思うことが出来たので、世界の広さを一緒に実感できたような気分です。読んでよかった。いい本でした。オススメです。

- 作者: 下川裕治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 文庫
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