佐藤史生のコミックスは、全巻手放してしまったんだけれど、この間から読みたくなって、古本屋で探していたら、この作品だけ見つかったので、買い戻すことが出来た。
久しぶりに読んだから、細かいストーリーはすっかり忘れていて、新しい作品を読んでいる気分。で、これが、昔、読んだときよりも遥かに面白いと思って読めたから不思議。自分、佐藤作品の中でも「夢みる惑星」はいまいちだと思っていたはずなんだけど、なんでそう思っていたのか不思議なくらいに、はまる。
なんか、イリスがめちゃかっこよく見える。昔は、こんななよなよした主人公はどうよ? 的に思っていた気がするのに、思いの外、この人、かっこよかったんだねえ。と、今更、びっくりしている。
世界を災厄が襲うというイメージが、今の気分に、結構、ピタリとおさまって、「天にも地にもなんの兆しもないというのに、どうやって人びとを説得するのですか?」という命題が、ものすごく響いて聞こえるんだ。
その上で、人びとを救うために、どんなことでもすると言う。汚れ役含めて、買って見せたところ、すごくいいよ。その弱さも含めて、魅力的だ。
久しぶりに読んで、こんなにはまると思わなかった。あと、なんとなく、70年代SFの匂いが残っているところも気に入っているかな。描かれているのは、80年代なのに、どこかもっと昔の、古典的なSFと言う感じがする。この終末思想は、「日本沈没」に近いんだなあ。と、改めて思った。
現在、2巻目読書中。順調に面白いです。続きもすごく楽しみです。
- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1996/04
- メディア: 文庫
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