星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

高畑勲監督 「かぐや姫の物語」

映画6.高畑勲監督 「かぐや姫の物語」(日本・2013)

期待せずに見に行ったんだけれど、意外なほど、非常に面白かった。部分的には泣かされたし、なかなかいい映画を見たと思います。

基本的には、ただの「かぐや姫」なんだけれど、主人公の女性を、山育ちの田舎娘という設定にしたのは面白いと思った。

ずっと山の中で、自然の中で暮らしたかったのに、姫の幸せは、都で結婚することだと思いこんだ翁に連れられて、都に行くことになる。

監督のインタビューか何かで「アルプスの少女ハイジをやりたかった」という話を聞いたような気がするんだけれど、田舎から来た少女が都会になじめずに、望郷の念をつのらせていくという部分は、確かにハイジなんだなあ。と思った。

で、それは私自身の感慨とも一致するものがあって、やっぱり、田舎はいいよね。自然はいいよね。と思ってしまうのだ。あるいは、これは都会在住の地方出身者の思いとも、通じるものがあるのかも知れないと思った。

淡い恋の想い出を残したまま、月へと帰るかぐや姫に、地球が映る。姫にとっての地球は、生き物たちが暮らす自然あふれる大地なんだと、割と本来のジブリっぽいテーマもいれてきたんだなあ。と思って、感慨深かった。

おもひでぽろぽろ」や「平成狸合戦ぽんぽこ」では、説教くさくなってしまったテーマだけれど、今回は割と自然に、きれいに見えたんじゃないだろうかと思う。

きれいなアニメーションで、見応えもあったし、見に行ってよかったと思います。