星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

清水崇監督 「魔女の宅急便」

映画9.清水崇監督 「魔女の宅急便」(日本・2014)

原作小説は、だいぶ前に、単行本で最初の巻だけ既読。宮崎監督のアニメ版は、劇場公開時に映画館に見に行ったし、その後もテレビで何回か見ました。

で、今回は、公開初日が映画の日で、しかも土曜日の2回目の上映と言うことで、劇場はほぼ満席でした。ほとんどが子ども連れのお母さんたち。母親同士が誘い合って来ていたという、そんな人たちも見受けられたし、子どもも含めてほとんどが女性。一人で来ている男性も少し混じっていたけど、少数だったと思います。年齢層は、30代以下が多くて、その中に若干、年配者が混じっていたかたち。

たぶん、ほとんどの人がアニメ版の「魔女宅」ファンなんじゃないかと? アニメ版の「魔女宅」のノリを期待して、実写版を見に来たんじゃないかと思うから、物語が全然違うんで、面食らったんじゃないかと思いました。

はっきり言って、かなり厳しい物語です。アニメ版ほど、優しく、暖かい世界じゃないです。

魔女の修行に出たキキに訪れる試練は、かなり辛いもので、私が見ていても、確かにこれじゃ、魔女なんかやめたくなるわ〜と思いました。

原作を読んだのもだいぶ前なんで、展開はうろ覚えだし、原作だって、こんなに厳しくはなかったような気がするけど? とも思ったんだけど、ただ、魔女と言うだけで、何でもしてくれるとばかりに「魔法で直してよ」とか頼まれたり、魔女という言葉には、不吉な響きがついて回るものなの・・・というセリフは、あったような気がする。

何でも自分一人でやってみたいという、子どもが一度は持つ家出願望を叶えてくれる代わりに、社会に出て働くことの厳しさ、辛さを突きつけて来るみたいで、かなりきつい物語ですが、その分だけ、「それでも、やめるな」という励ましが胸に響くし、キキの頑張る姿は感動させてくれました。

ほうきで空を飛ぶシーンは、特に違和感もなく、ひゅんと飛ぶ感じが見ていても気持ちよかった。海で、波を片手に浴びながら、楽しそうにしているところなど、いいなあ。と思ったし。

アニメ版とは展開が違うけど、これはこれで感動させてくれるいい物語だったと思います。アニメを忘れて、見に行くのがいいね。よかったです。