星の原休憩所

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「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」後編 富野由悠季

読書9.「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」後編 富野由悠季 アニメージュ文庫

今更、富野のだめなところをあげつらってもしょうがないとは思うものの・・・。「逆シャア」を読むと、どうしてもひっかかるのが、クェス・パラヤの奇怪な言動で、何をどう考えて、こんなセリフになるのか、こんな行動を取るのか、読んでいるこちらには、さっぱりわからない。小説なんだから、キャラの内面を丁寧に描写してくれてもいいと思うんだが、それもないし・・・。

「・・・そんなに偉いのなら、地球潰しなど考えずに、政治力で連邦政府を潰してみせろ!」
「軍から一歩も出られん貴様に、そんなことが言えるかっ! 新型のモビルスーツを作るだけがニュータイプの仕事か!」
クワトロ・バジーナと名乗って、俺達と一緒に地球の敵と戦った男が・・・!」
「・・・あのとき、宇宙移民を推進した連中が、地球を独占していると分かったのだ! 大衆を地球から排除した連中は許せん!」「・・・それが地球と宇宙に人の差別を作った! それが戦争の原因を作り、地球を汚染させている! あれらは重力に魂を縛られている!」
「ああ、だから、夫婦でもいがみ合っていられるんだ・・・」
クェスは、シャアの怒気を含んだ言葉に、はっきりと自分の家族の質が分かった。

たとえば、こういう会話のシーンがあるんだが、セリフだけざっと抜き出してみたんだけれど、シャアとアムロの会話は何となく分かるとしても、この会話から何を読み取って、クェスが、「ああ、だから」と納得したのかさっぱり分からん。クェスがわかったという、「自分の家族の質」って何??

「ああ、だから」というのが、シャアのセリフのどこにかかる言葉なのか読み取れないんだよ・・・。「地球を独占する連中」「重力に魂を縛られている人間」という意味だと思っても、そこから、「夫婦のいがみ合い」を結びつける能力についていけません・・・。

そのあと、「アムロ! あんた、ちょっとセコいよっ!」というセリフが入って、いきなりクェスが、シャアの方に走るわけなんだけれど、何がどうセコいの? その言葉は、どこにかかるの?

何とか理解しようと思って、一生懸命考えているんだが、クェスに関しては特に、ここに限らず意味不明の言動が多すぎて、まともな人間の思考に見えない。やっぱり、富野の作品は、難解すぎるし、これを分かれという方が無理でしょ・・・と愚痴をこぼしたくはなった。