コミック8.「風雲児たち 幕末編」第4巻 みなもと太郎 リイド社SPコミックス
黒船来航後の幕府の政策について、主だったところを書き写してみました。
まず、奏者番本田忠徳に命じ、関東一円の海岸巡察を命じ、防衛拠点を調査させるのを皮切りに、例の日本語訳したアメリカ親書を全国の諸大名にすべて公表したのである!!
「各藩の大船製造を許可する!!」阿部正弘は、ついに徳川家康の定めた「大船製造の禁」(一六〇九年)を撤廃した!
「さらに江戸海岸沿いに藩邸なり別邸を持つ者は、江戸湾に向けて砲台を築くことを許可するっ!(ほとんど命令)」
「砲台を築くとなると、もはやこれまでの大砲では役に立たぬ。西洋流砲術のエキスパートを呼ばねば・・・」「江川太郎左衛門を呼べいっ!」
「伊豆代官江川、参上つかまつりました」
「うむ、その方、江戸湾砲台の建設を頼みたい」
「江戸湾に砲台を?」
「そうじゃ、人工島を造り、江戸城を守る」「場所は、フジテレビのあるお台場にしよう!」
「これから築く砲台島をお台場というのです。フジテレビが引っ越してくるのは、百五十年も後です!」
「読者に場所がわかっていいじゃないか」
「砲台だけ築いたって、幕府には旧式砲しかありません。拙者、十数年前より、鋼鉄砲を作れる反射炉建設を申し続けておりますのに・・・」「たった今、許可するぞ」
かくして、お台場突貫工事は始まった!!
阿部正弘の幕政改革は、止まるところを知らない!! もはや、外様大名たちが積極的に発言するのは当たり前になり、ついには士農工商の差別なく、すべての庶民から、黒船問題に関する意見を募集するに至ったのである!!
大船建造の許可が下りたことで、島津斉彬の薩摩藩、伊達宗城宇和島藩、鍋島閑叟の肥前佐賀藩など、近代化の進んでいた西国大名は、大っぴらに蒸気船建造に取り組み始めた!!
かくしていちおー理論的には、日本三百藩、すべての人間が、ほんのちょっと幕政に口出しできる時代が到来したのである!!
- 作者: みなもと太郎
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2004/02/27
- メディア: コミック
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