星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「君の膵臓をたべたい」 住野よる

読書16.「君の膵臓をたべたい」 住野よる 双葉社

余命わずかな少女と、その秘密を知ってしまった少年の物語ってことで、基本的にはよくあるパターンを踏んで、手順通りに書かれているなあ。という感じだったけど、それでも胸を打つのは、コミュニケーションの問題をテーマにしていることで、この作品が売れたんだとしたら、人との関わりをおそれる読者がそれだけ多いってことなんじゃないだろうかと思った。主人公の臆病さに共感しつつ、なお彼のその生き方を羨ましいと思える彼女にも共感した。彼らの会話の軽妙なやりとりは面白かったし、文章がリズミカルで読みやすいのもよかった。泣けるとまではいかなかったけど、きれいなラストシーンだったと思います。