星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「翔ぶが如く」第9巻 司馬遼太郎

読書1.「翔ぶが如く」第9巻 司馬遼太郎 文春文庫

去年の11月から読み始めたにも関わらず、読書意欲がわかなくて、ちっとも読み進まず、3月になってから、もう一度最初から読み直して、ようやく読み終わった。記録的に、時間かかったわ。

物語自体がつまらないわけでもない。西南戦争の描写を延々と説明している。田原坂の戦いというのは、私でも名前ぐらいは聞いたことがあったんだけれど、私はまたそれって、鹿児島と熊本の県境あたりにある山の中なのかな?? などと、漠然と思っていた。実際に、地図を確認しつつ、見たら、西南戦争って、基本的に全部熊本県で行われていて、鹿児島で起きたわけじゃないんだなあ。などと、もしかして、一般常識かもしれないことを改めて思った。そういう無知な自分を戒めるためにも、ちゃんと読んで良かったです。

政府軍と薩軍がどういうふうにぶつかったのか、熊本の士族はどう動いたのか、戦線はどうなったのか、を含め、丁寧に描写をされていて、こういう戦いの様子が生々しく描かれている小説を今まであんまり読んだことがなかったんだけれど、気の毒なのは、戦場にされた各町村なんだろうなあ。と思う。

それぞれの家が勝手に兵士の宿舎にされていき、武器弾薬のもとになるものは全部、供出しなきゃいけないし、食料だって、提供する。戦争の都合によって、かんたんに火を放たれ、燃やされていく。やだね。怖いね。