星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「それからの海舟」 半藤一利

読書16.「それからの海舟」 半藤一利 ちくま文庫

明治の勝海舟を描いたということで、期待していた割に、幕末の話が結構長かったのと、筆者の勝海舟びいき、薩長嫌いがあまりに鼻について、仮にも後世の歴史家がこんなに偏っていていいのかと? 少なくとも、この人の本は、そういう人が書いたという目線で読む必要があるな。と思った。

ただ、読んでいるうちに、「薩長は、不平不満の貧乏公家を巧みに利用して年若い天皇を抱き込み、尊皇を看板に、三百年来の私怨と政権奪取の野心によって討幕を果たした無頼の徒輩にすぎない」と言われれば、ある意味、そうかも? という気になってきたのは事実だ。

錦の御旗の製作の裏話が書いてあったことと、朝鮮は、「天皇」や「帝」という言葉をつかえるのは大国である中国だけであって、日本人が「皇」や「帝」を名乗るのは許せない。という立場であったこと、勝海舟福沢諭吉の不仲の件などが印象に残りました。