第十話
こうしてみると、名前を継ぐ、というのがいかに大変なことなのかがわかる。師匠にとって、八雲という名前は呪いだったのか。
一方で、助六という名前も怖いね。必ず、八雲の前に現れるみたいで。八雲師匠と、初代の助六の間に、こんな因縁があったとは知らなかった。さぞかし、二代目助六の存在が、八雲師匠にとっては重荷だったことだろうと思う。
とはいえ、先代に冷たくしたんだから、二代目には優しくしてやってもよかったのにね。ともちょっとだけ思う。両方を追い出して、どうするのか。重荷がどんどん重くなっただけじゃないのか? それが人の世の常なんでしょうか?
菊比古が死神を演じたけど、この辺の演出が結構、怖かった。石田さんの演技もうまいけど、画面の見せ方もうまい。なんか怖い。という感じをこちらに与えることができたんだから、成功でしょう。見事なものでした。