読書4.「君たちはどう生きるか」 吉野源三郎 岩波文庫
いい本でした。タイトルは昔から知っていたものの、哲学書か何かだと思い込んでました。ふたを開けてみれば、小中学生向けの児童文学という感じ。
主人公の中学生、コペルくんの目線を通して、彼が一生懸命考えた発見をつづっていく。そのコペルくんを教え、諭す叔父さんの存在。交互に語られる内容は、深く、とても大切なこと。
一番の見どころは、コペルくんが自分の身可愛さに、友達を助けられなかった部分。そうしなきゃいけないとわかっていて、できなかった自分は卑怯者だと、その事実に、おびえて、苦しむ場面で、取り返しのつかないことをしてしまったとき、どうすればいいのか、どう考えていけばいいのか、教えてくれたのが、非常にうまかった。
すべての経験には、意味がある。そこから学ぶべきことがあるから。