星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ジャン・クリストフ」第1巻 ロマン・ロラン

読書33.「ジャン・クリストフ」第1巻 ロマン・ロラン 岩波文庫

小学生の時に、子供向けの簡略版を読んで好きだったので、中学生の時に、図書室で借りて、完全版を読んだことがあります。その時も、読み終えて、面白かったという印象が残っていたので、40年ぶりに読んでみたけど、結構、きつかった。翻訳が古いのかもしれないけど、とにかく読みづらい。難しい言葉と読みが多すぎ。今の自分は、中学生の時の自分よりあほなのかもしれん。

ただ、読み直して、「あ、ここ覚えている」と思ったのが、ゴットフリート叔父さんが、「何を歌う必要がある? お前がこしらえるものよりも、あれらのほうがよほど立派に歌っているじゃないか」と自然の声、夜の歌を教えるシーンで、「ぼく、叔父さんが大好きだ!」とクリストフが抱き着くところと、父親が死ぬシーンで、「クリストフ、俺を馬鹿にするなよ」と繰り返し、言い続けたところで、よほど印象が強かったのか、この2か所だけが記憶に引っ掛かった。

今、読み直して、印象に残るのは、いろいろあって、飲んだくれになったクリストフに向かって、叔父さんが、「こんばんは、メルキオルさん」と父親の名前で呼びかけるところ。

この叔父さん、いい場面に出てきて、いちいちかっこいいんだわ。父親がどんな人生を送ったのかはあんまり語られてはいないけど、彼だって、いろんなことがあったから、人生に挫折したんだろうなあ。というのは見て取れた。生きていくのは大変だ。

物語はまだ始まったばかりで、クリストフだってまだ若いから、これから先、何が起こるのか、すっかり忘れている分、続きが楽しみです。続けて、2巻も読んでいきます。