星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「図南の翼」 小野不由美

読書20.「図南の翼」 小野不由美 新潮文庫

終わってみれば、珠晶と一緒に黄海を旅した気分。一番怖かったのは、人の言葉を話す人妖に襲われるシーンかな? この手のホラー描写はさすがに手馴れているなあ。という感じがした。妖魔の住む世界の中で、誰を犠牲にして、先に進むか? というテーマが入ってくるので、その問答の中身がいろいろ考えさせられました。そして、一番感動したのが、珠晶が、とり残された人々を助けに戻っていくシーン。わざわざ、危険な場所へ、見知らぬ他人のために引き返すことができるか? それができる彼女は、やっぱり王の器なんだろうと思った。