星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「白銀の墟 玄の月」第3巻 小野不由美

読書26.「白銀の墟 玄の月」第3巻 小野不由美 新潮文庫

人が悪くなったなあ、高里くん。泰麒は、蓬莱で毒と壊疽にまみれて、すっかり変質してしまったんだなあ。と、改めて思った。本来、麒麟なら絶対にできないこともやれるようになっちゃって。たくましくなったというのか、したたかになったというのか、あの純真でかわいかった子供が、こんなひねた大人になっちゃって・・・というのは、なんだか痛々しい限り。

でも、蓬莱に居場所がなかった高里くんを、こんなにもみんなして、歓迎してくれているというのは、彼のためにはよかったのかもしれない。

自分のせいで死んでいった者たちに報いなければならない。というのが、彼の必死さの理由だとわかって、いろいろ行動しているうちに、少しずつだけど前に進んだみたいだし、物語も、ようやくラストで光明が差したという感じ。いよいよ次はラスト巻だし、ハッピーエンドを期待して、続きを待ちたいと思います。