読書9.「ジャン・クリストフ」第4巻 ロマン・ロラン 岩波文庫
中学生の時、一度読んでいるんでオリヴィエが死んでしまうことは知っていたし、昔はそれが一番ショックだったんだけど、今の視点で見て、一番感動したのは、オリヴィエの息子が成長してクリストフの目の前に現れることですね。
オリヴィエの息子、父親とはまた微妙に性格が違ってて、それがまたいい。かわいいじゃん、この子。オリヴィエを失っったあと、いろいろあって、すっかり変わってしまったクリストフの前に、若さあふれる少年が現れて、クリストフに向かって、「あなたを愛してます」と伝える。老齢に差し掛かったクリストフにとって、この少年の愛がどれだけ救いだったろうと感動する。
しかも、彼は、グラチアの娘と結婚するんだ。そんな結び付きがあるんだね。クリストフの愛した人たちはみんな逝ってしまったのに、その子どもたちがまた彼を好きだと言って、慕ってくれる。血縁ではないけど、本当に彼の子どもたちのようだ。その流れが非常に良かった。