「どんなことでも、自分で見つけださなきゃいけないものよ。そうして、自分ひとりで、それを乗り越えるんだわ」
誰もが冬眠中の真冬のさなかに、一人だけ目を覚ましてしまったムーミントロールの孤独と辛さが、ひしひしと伝わる分だけ、それを乗り越えて、春に向かうシーンが感動的。
吹雪の中で。「彼はふぶきに背をむけて、ふかれるにまかせました。そのときはじめて、ムーミントロールは、ふいている風があたたかいのに気がつきました」
ずっとおおかみにあこがれていためそめそが、そのあこがれが幻想だったことに気づく瞬間。
春になって、おめでとう。そう言い合える気持ちを、物語といっしょに味わえたことが、本当に気持ちよかったです。