読書12.「動物農場」 ジョージ・オーウェル 角川文庫
「動物農場」「象を射つ」「絞首刑」「貧しいものの最期」の4作品を収録した短編集。本編は、すぐに読み終わったものの、解説やあとがきがえらく長くて、しつこくて、そっちを読むほうが大変でした。
読んでみたかったのは有名な表題作だけれど、一行感想で済ませるなら、「スノーボールがかわいそうだな」ってことで、もし、彼が農場を仕切っていたなら、もっとうまく行ったのだろうか? それとも、同じ結果になるのだろうか? と思った。いいように追い出されたあとは、徹底的に悪者扱い。これが世の常なのかと思うと、やっぱ、世間で悪く言われている人ほど、実はいい人なんじゃないのかと、そう思ってしまう。そんなに単純ではないにせよ。
他の短編では、かつてのアジアの怖さを感じた。そこで暮らすヨーロッパ人の思いを生々しく汲み上げていると思う。こういうのは、記録として、大切かと。