星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「アルプス物語 わたしのアンネット」 三田ゆいこ

33.「アルプス物語 わたしのアンネット世界名作劇場」 原作:パトリシア・セント・ジョン「雪のたから」 作:三田ゆいこ 竹書房文庫 評価★★★★★

世界名作劇場の文庫を本屋で見かけるので手に取ってみたんだけど、これは原作の「雪のたから」そのものではなくて、アニメの方から物語を起こしたノベライズ版なんですね。

アニメから物語に入ったファンにはその方がなじみやすいと思うので、いいアイディアだと思います。実際、名作劇場シリーズは原作クラッシャーだったので・・。

私もアニメ版のファンなので、アニメの展開通りに物語が進んでくれるのは嬉しかったです。細かいエピソードも結構忠実になぞっていたし、私が入れて欲しかった名場面は全部フォローしてありました。

難を言えば、アニメ版のルシエンは「母ちゃん」ではなく「母さん」と呼んでいたし、「ペギンさん」ではなく「ペギンじいさん」だったよなあ・・・とか思うのがファンとしての思い入れですけど。(^^);
あと壊された馬の彫刻に母親が触ろうとしたときのセリフは「触るな!」ではなく「触らないで! 母さん!」だったと思うんだけど・・・。
この微妙な直しは、ルシエンを男の子っぽく描くための配慮でしょうか?

ただ、そんなことは些細なことです。三田ゆいこさんの文章は非常に読みやすく、面白かったです。文章も難しい表現を避けて、比較的子供向けに直していたみたいなので、自分に小学生の子供がいたら読ませてみたいな・・・と思える本でした。

アニメ版のファンとして嬉しかったのは、口絵で紹介されているアニメのシーンが全部、いちばんの名場面だったこと。「わたしのアンネット」と言えば、このシーンだろう! という感動的な場面が描かれている。
峠越えのシーンを表紙に持ってきたセンスも好きです。作り手側に、作品に対する思い入れがあるのがわかって非常に嬉しい。いい本でした。

わたしのアンネット」ってどんな作品?? と思う人は手に取ってみてもいいと思います。この本に全てが描かれているので・・・。

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