第13話「さよならフィオリーナ」
エミリオについて考えていたんだけれど、この作品中では、彼、ものすごく頼りになるいい少年として描かれてますが、彼がもし悪い少年だったとしたら、マルコがあっさり彼を信じて、ついて行っているのは、マルコ不良化の第一歩なんじゃないだろうか? と思いました。
なにしろ、息子がしょっちゅう学校をさぼって、アルバイトに明け暮れ、お金を貯めて、アルゼンチンまで壮大な家出の計画を立てているのに、脳天気なお父さんはなんにも知らないんだもんなあ。まあ、せいぜい「困った子だ」とつぶやいているぐらいで、マルコの行動力を完全に侮ってますよ。そこまでするなんて、夢にも思ってなさそうだし、息子は息子で、黙って行ってしまおうと思っていたみたいだし・・・。
エミリオは、マルコの気持ちに同情して、なんとかアルゼンチン行きの切符を手に入れたいと、どう見ても悪人面のお兄さんと怪しげな取引までするし、夜の酒場や危ない場所を子供二人でうろうろするし、見ていてもなんだか恐ろしいわ。
マルコが頼りにしているのはエミリオであって、お父さんではないんだよね。仲直りしたのはいいけど、それでもまだ、私が見ていても、このお父さんにはどこかイライラさせられる何かはあるような気がする。いい人なんだけどねえ・・・。
一方で、フィオリーナの一家がいよいよアルゼンチンに旅立つとかで、家族そろっての踊りと演奏のシーンはなかなか良かったです。一座が歌っている音楽が素晴らしいんだよね。思わず一緒に歌いたくなるような感じで。