星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

今敏監督 「千年女優」

5.今敏監督 「千年女優

面白かったです。今監督作品を見るのはこれが初めてですね。

思い出したのは萩尾望都の「ヴィオリータ」と「酔夢」ですか。なんだかいつも萩尾望都の名前を出しているようで申し訳ないけど、いや、だって、内容があまりにそのまんまなんだもん。(^^);

ヴィオリータ」の場合は、追いかけているのは男の方で、「いつも彼女は僕の前から消えてしまう・・どうしてなんだ!」という話ですけどね。現代の感覚でそれをやろうとすると、追いかけるのが女性になるというのは面白いと思いました。あるいは、制作者が男性だからでしょうか??

追いかけて追いかけて追いかけて・・つかまらない夢。夢のようなひと。永遠に満月にならない14日の月のように。

だまし絵のように映画と現実の時間軸が交差していく構図は興味深かったです。だから逆に返って、「妄想代理人」を見るのが怖くなったのも事実。
この人の作劇法で「妄想」という方向に走ってしまうと、自分が立っている現実まで不安定な地盤に変わってしまいそうな気がする。下手にのめり込むと、精神的に不安定になりそう。

声優さんたちの好演は見事でした。特に飯塚昭三さんの存在感の大きさは、この作品の陰の主役でしょう。女優として熟達した小山茉美さんもなかなかのもの。配役があまりにはまっていて、見事に狙っていましたね。さすがです。(^^)