星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ジョナサンと宇宙クジラ」 ロバート・F・ヤング

小説・一般28.「ジョナサンと宇宙クジラ」 ロバート・F・ヤング ハヤカワ文庫

クラナド」をプレイしていて、「たんぽぽ娘」のフレーズが出てきたので、ヤングを読んでみたくなりました。この短編集には「たんぽぽ娘」は収録されていないんだけれど、一応、同じ作者だし、「ジョナサンと宇宙クジラ」と言えば、「宇宙クジラ」ネタSFの代表作だと思うので、前から一度、読んでみたかったのです。

タイトルから、宇宙クジラと少年の交流の物語だと思いこんでいたんだけれど、読んでみたら、全然違っていたので、びっくりしました。(←「クジラのホセフィーナ」と混同していた模様)

しかし、これはこれでなかなかいい話かな。そもそも、宇宙をクジラが泳いでいるという発想自体、スケールがでかくて、すごいと思ったしね。それなのに、そのクジラに飲み込まれてしまうとは、どうなることかと思いましたよ・・・。

10編の短編が収められていますけど、個人的に気に入ったのは、表題作のほかにはあと「リトル・ドッグ・ゴーン」と「いかなる海の祠に」ですね。

前者の方には、「ボロ雑巾(バー・ラグ)」と呼ばれている子犬が出てきて、テレポート能力を持っているんですけど、あるいは、ロロの元ネタは、この子犬だろうか? とも思いました。こういう主人に忠実な子犬の姿というのは、泣かせます。

読んでよかったです。きれいな短編集という感じがしました。