第51話「なつかしいわが家へ」
この間の49話とこの51話、及び最終話は、VTRデッキのない時代、カセットテープに音声だけ録音して、繰り返し聞いたものです。今、見ても、ものすごく演出レベルが高い。素晴らしいですよ。
今まであれだけ元気の良かったニルスが、前回あたりからすっかり意気消沈しているのだけれど、今話数では冒頭からすごく辛そうな表情を見せる。なんだか見ていられないほど、かわいそうです・・・。
モルテンのために、家に帰るのはやめる。このまま、旅を続けるよ。と、アッカ隊長に決心を話すニルス。実際、忘れていたけれど、ガンの群れはこれから海を渡って、外国に行くんだという設定があったんですね。本当にもうお別れなんだ。
モルテンと入れ違いになりさえすれば大丈夫・・・と、アッカ隊長がニルスのために、最後にもう一度だけ家に帰って、両親の顔を見てらっしゃいと連れて行ってくれるんだけど、空から見下ろす自宅の光景と言うのも、なかなかいいなあ、と思った。毎度、空中シーンが素晴らしいのは相変わらずですけど。ぐるんと空から家の周りを一周して、それを上空からニルスが見ている。その見せ方がすごくいい。
馬小屋での両親とのニアミスシーンは、本当にドキドキさせられたし、一方で、アッカ隊長と入れ違いでモルテンが戻ってきてしまったり、この辺の緊張感は、さすがです。
モルテンの一家がガンの群れに別れを告げるシーンもよかった。特にグスタ・千葉茂さんの半分泣き声になっている演技がいいなあ。「いいかぁ! 人間なんか信用するんじゃねえぞっ〜!」この最後の叫びでグスタの気持ちが良く伝わるんだもの。
本当にいい作品です。次回、最終回も楽しみにしてます。