星の原休憩所

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「エンド・ゲーム 常野物語」 恩田陸

小説・一般10.「エンド・ゲーム 常野物語」 恩田陸 集英社文庫

「常野物語」シリーズ最初の短編集である「光の帝国」収録の「オセロ・ゲーム」の続編長編。

「オセロ・ゲーム」で描かれた「裏返す」「裏返される」という拝島親子が長年続けているという戦いや、失踪した夫が残していった電話番号「何かあったらここに電話するように」という謎が、なまじっか非常に興味を引く設定であった分だけ、こんな落ちだったのか、と知って、すごくがっかりしたというのが本音。

途中までは謎に引き寄せられて読んだし、どうなるんだろう? と言う興味もあったんだけれど、途中からかなり失速して、最終的には、こんな戦いはもう意味なんてなかったんだよ・・・と言い始めて、最初の短篇のおもしろさまで否定されてしまった。なんなんだよ、一体〜。

「洗って、叩いて、白くする」という「洗濯屋」の設定は面白いと思ったんだけれど、アイディアが生かされていないような気がしました。非常にもったいなかったと思います。