「しろばんば」から始まる井上靖氏の自伝的三部作、これにて完結。正直、もっとずっと読んでいたかった。洪作くんがいよいよ台湾に旅立ったところで終了したが、両親の元へ行ったところで、ちゃんと受験勉強できたのかな? 四校の受験は受かったのか? 柔道部へは入れたのか? そういうその後のことが気になって仕方がない。
それだけ、彼は、生き生きと紙の上に息づいていた気がする。大正時代の青少年たちも、それなりに楽しく、日々を送っていたみたいで、そういう彼らの生活の一部を垣間見れたところが良かったです。
第10話「あなたは・・・「誰」ですか?」
第11話「私だけのものだよ」
十二支のみんなが、不幸な状況にあるのはわかるとして、こんな状況を作ったのは作者だろ? 的な、なんか、作者に対して、怒りを感じるようになった。色々とひどい話で。
映画2.イシグロキョウヘイ監督 「サイダーのように言葉が湧き上がる」(2021・日本)
・・・うーん。悪くはないんだけど、きれいな恋愛物語で、あまりにきれいすぎるゆえに、私はあんまり好きじゃないかな? 10代のときに、こんなにきれいな恋愛をしたことがないし、いろいろと都合良すぎるように見えて。
独特の色彩感覚は、非常にきれいでした。
第9話「大切な俺の・・・」
どうでもいいことなのかもしれないが、この作品で、部屋の間取りとかどうなっているのか、なんとなく気になる。
暁人さんがいた部屋の襖を開けたら、そのまま外になりそうで、なんかおかしくない? これ。と、ツッコみたくなって、なんかこう、そういう細かいところがあんまりちゃんとしてないような印象を受ける。それとも、襖を開けたら、そこが縁側になっているのだろうか?
深刻な会話をしているのに、そんなどうでもいいことが気になって、気になって、集中できなかった・・・。