星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「機動戦士ガンダムSEED」第31話

第31話「慟哭の空」

いやあ、最高潮に盛り上がっていますね。すごいよ〜。先々週あたりからの展開の凄さに大感動ですよ。

多分、制作者側が一番描きたかったテーマというのが、今回カガリが叫んだ言葉でしょう。

「殺されたから殺して、殺したから殺されて、それで本当に平和が来るのかよ!?」

ごくごく最初の段階から、そういうテーマを描く下地はできていたし、砂漠編でも「虎」に何度も言わせていたんだけど、「友だちを守るために、誰に銃を向けるのか? 本当にそれでいいのか? どこで戦争をやめればいいと思うか?」
多くの人が、この作品は「戦争物」としてはダメだと言っていたし、多分、その指摘は一部では正しいのだろうと思う。
しかし、この作品は、不自然に見えようと物語に負担がかかろうと、あくまで主人公の視点で一兵士の立場から戦争を描いた。平和に生きてきた普通の男の子を戦場にたたき込んで「きみが戦うべき相手は誰なのか?」を問いかけなおした。

それは視聴者である子どもたちが、自分たちの視点で「戦場へ行くということはどういう事なのか?」考えることができるようにとの配慮だったし、そして、それは成功したのだと思う。

キラを殺した(と思っている)アスランに「どうしてこんな事になったのか、わからないんだ」と、泣きながら言わせた。
「軍人になる」ということは「無差別に人殺しをする」ということなのだ。その中には友だちになれただろう人物も混じっているかもしれない。軽い気持ちでその場のノリだけで「みんながなるならぼくも軍人になるよ」と言っていたトールはあっさりと死んだ。

今度はその復讐のために、一人の女の子が殺人を犯そうとまでしている。(←これは次回だと思うけど)。こんなことがエンドレスで続いていいのか?

アスランの涙のシーンは、作画までキラキラ。「これが一番描きたかった!!」というスタッフの気持ちがにじみ出ているようでしたわ。(^^)

キラをあえて描こうとしない演出もよかったし、だからこそラストのカットに「こうきたか〜!」と大喜び。
そうして、もう一度アスランとキラが再会したとき、今度こそ「二度とこんな事は繰り返さない」と二人が決意することになるのだろう。この子たちは一番深い泥沼を越えたんだから、後半の展開はあるいは二人が協力しあうようにさえなるのかもしれません。