星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「妄想代理人」第4話

第4話「男道」

今回は交番警官の表と裏。なんとなく、昔読んだ六田登の短編を思い出した。
「海が鳴くとき」という短編集に入っていた話で、タイトルは覚えていないんだけど、追いつめられた男が最後に犯罪に走るという点で似ていたような気がする。
「私はただ、家族を守りたかっただけなんです!」と叫ぶ主人公に、警官が言うの。「違うなあ。お前はただ、自分を守りたかっただけなんだよ」

罪を犯すぐらいなら、すべてを告白して自首する方がいいんじゃないか? と思うんだけど・・。それが出来ない弱い男だからこそ、強い男たちの世界にあこがれを見ちゃうんでしょうか・・?

「作りかけのマイホーム」「父親としての立場」「警官としての地位」そういうものを守ろうとして、他人を襲い始めた「お父さん」。

ラストの引っかけは面白かったね。いつものように少年バットに襲われて終わるのかと思えば、ひっくり返しちゃったという・・。

だけど・・・少年に暴行を加え続けている姿を見ていたら、このおじさんって弱いもの相手になら強がることが出来るだけなのね・・と、気づいてしまった。それほどまでに、自分の立っている場所は危うい。

間に挟まれる劇画調のマンガの演出は、工夫されてて面白かったです。