星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「火の鳥」最終話

最終話「未来編その二」

「どうして俺なんだ〜! どうして俺一人が生き続けなければならないんだ〜!」by山之辺マサト

原作でも一番つっこみたかったセリフ。いや、だって、その通りなんだもん。(^^);

冷凍睡眠状態の棺桶・・というのは原作にもあるんだけど、女性とは描かれていませんでしたね。「男か女かわからないけど、もう誰でもいい」という感じでした。あと、開いた棺桶の中身は原作では見せてません。マサトが一言「ダメだ。粉々に砕けてる・・」とつぶやくだけです。
(それにしても、六億年後まで残っていた猿田博士の日記は凄いなあ。どんな材質で出来ていたんだろう??)

ただ、女性の棺桶をきっかけに生命を誕生させようとした・・という発想は面白かったかな〜。原作ではほんの少しの描写しかないエピソードなんだけど、アニメではえらく丹念に描いているから。そこにこだわりが見えるところ。

しかし「宇宙生命(コスモゾーン)」についての説明を省いちゃったのは、非常に残念。
「未来編」の一番のキモはそれだと思うんだけど?? 個人的には「未来編」のお話自体はどうでもいいけど、「宇宙生命」の考え方自体は面白くて、ずっと印象に残ってました。

素粒子の粒から星雲まで「生命」だと言い切った「火の鳥」の大事なテーマみたいなものでしょ? その説明が全くないんじゃ「火の鳥」のお話自体、何を言いたかったのかわからないんじゃないのかな〜? なんでそれを描かなかったんだろう??

とりあえず、このアニメ化でよかった点はOPと音楽だけですね。あのOPだけは「火の鳥」らしさをきちんと表していたような気がするので・・。(^^);

【おまけ】
これから「火の鳥」を読んでみようと思う人には講談社の全集版を薦めておきます。一番理想的なのは、朝日ソノラマ版のビッグサイズなんですが、あれは入手が難しいんじゃないかな?

角川版の文庫本が一番手頃で買いやすいと思うんですけど、実は全集版と角川版は中身が違います。角川版では手塚先生が内容をいじってかなりの部分を切って、描き直しているので・・。それでよくなったかと言えば、実は逆で、個人的には改悪されたと思ってます。(^^);

ソノラマ版と講談社版は中身がほぼ同じなんだけど、角川版だけはかなり違う。まあ、参考までに。